悲しき雨音





















誰かに愛して欲しい…





私はもう、孤独の中で生きていくのは嫌なの…





でもそれは、叶わぬ夢…





「よお、元気か?」





「あっ、浮竹隊長」





廊下で話し掛けられた人は浮竹隊長。





優しくて暖かい、大きな人…





私は浮竹隊長の事が好きだった…





でも、
私みたいな人間が恋をしていい相手じゃない事くらい分かってる。





「はい、元気です」





「俺には疲れている様に見えるんだが…。
無理はするなよ。身体が資本なんだからな」





そう言って浮竹隊長は私の髪を撫でた。





たったそれだけの事なのに、
私の心臓は狂った様に激しく鼓動する。





「はい…」





私は紅くなった顔を隠すために俯きながら返事を返した。





…」





えっ…





突然だった。





何の前触れも無く浮竹隊長は私に口付けた。





私は驚いて身体が硬直してしまった…





「……俺は…ずっと前からの事を愛していた。
孤独なお前を救ってやりたかった。
こんな頼りない俺で良かったら…
お前の苦しみを分けてくれないだろうか…。
一人で抱えるより二人の方が楽だろう」





「浮竹…隊長…」





私は涙を零した。





悲しみ以外の涙を流したなんて何十年振りだろう…





大好きな浮竹隊長に…





嬉しくて、嬉しくて…





でも……





私なんかとは…





私と関われば、必ず浮竹隊長は……





「どんな事からも必ずを護るからな」





「ありがとうございます…」





さっきまで晴れていた空が突然、暗くなり雨を降らした。





雨音は何故か悲しい旋律を刻む。





まるで、私の行く末の様に……










FIN








あとがき
久々の浮竹短編夢。
こういう続きがありそうな話、結構好きです。
では、こんな話を最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m
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