おとぎの国のお姫様は麻薬中毒者・I



















退屈です…





私はとても退屈です…





私の名前は





一国の姫をやっています。





姫はとても退屈な職業です。





毎日、甲斐甲斐しく私のお世話をしてくれる召使いも
お勉強を教えてくれる教育係もお父様もお母様も…





何時も同じ事しかして下さいません。





同じ部屋で、同じ景色を見るのには飽き飽きしました。





「…暫く社会見学に行って参ります」





私は小さく呟き、お城の外に出ました。





下調べをしておいたので簡単に外に出れます。





私は街に行きました。





勿論、変装をしているので誰も私だと気付きません。





街には色々な物が有りました。





見る物全てが新しくて、新鮮で私の好奇心をそそるものばかりです。





「えっ…」





ふと裏路地に目をやると…誰かが手招きをしています。





確か、あの格好の人はピエロ…と言う名前でしたね。





「可愛いお姫様、此方へおいで下さい」





私はピエロさんの方へ駆けました。





「やっぱり、貴女は姫ですね」





ピエロさんは私を眺めながら言いました。





私はしどろもどろになってしまいました。





このままではピエロさんにお城に帰されてしまうかもしれないからです。





「どうして…分かったのですか…?」





「綺麗な瞳をなさっているので、一度で分かりました。
…今日は街をご見学ですか?」





ピエロさんはにこりと笑いました。





「ええ、そうです」





ピエロさんはまたにこりと笑いました。





「可愛いお姫様にこれを…」





「わぁ…すごい」





ピエロさんは手から薔薇を出しました。





他にもたくさんのお花やおもちゃを次々に手から出していきます。





私はそれをずっと眺めていました。





姫、僕のお家にいらっしゃいませんか?
此処にある物の他にも色々面白い物を見せて差し上げましょう」





私はピエロさんに手を引かれていきました。





「ピエロさん、貴方のお名前は何ですか?」





振り返ったピエロさんのプラチナブロンドの髪が
太陽に反射してきらりと光りました。





「申し遅れてしまいましたね…僕の名前はイールフォルトです。
しがない道化師で御座いますが、以後お見知り置きを…」





私は吸い込まれてしまいそうな程の綺麗なブルーの瞳を
思わず見入ってしまいました…





私は魔法にかかった様な不思議な気分で、
ピエロさんのお家へ連れて行かれたのでした…












あとがき
勢い余ってイールフォルトを書いてしまいましたよ;
しかも続き物でパラレルッスよ;;
てか、イールフォルトの一人称は「僕」に勝手に決定。
違ってたら書き直します;
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