真っ白な黒壁





















あなたはいつもそうですね。





私の事に関しては曖昧に済ませてしまう。





聞こえませんか?





私のSOSのサインが。





…何か用でもあるのか?」





冷たくあしらわないで下さい。





冷たい瞳で見られると身体中が痛いです。





「あなたに会いたかったというのは理由になりませんか?」





「理由にはならない事は無い。だが私は忙しいんだ」





「分かっております。
でも私はあなたが愛しくて仕方がありません」





竜弦さんはずっと書き物をしている。





“院長”そう書かれたプレートが乗ったデスク。





「私もだと言いたい所だが…
私には妻がある、その上名誉もある。
と関係を結ぶ事は色々と体裁が悪い」





“大人の事情”というものですか?





子供の私には分かりません。





私は竜弦さん、あなたの奥さんが憎いです。





私は奥さん、あなたに成り代わりたいです。





「ごめんなさい」





「何故謝る?」





「分かりません。唯、ごめんなさい」





好きになってしまってごめんなさい。





私は多分そう言いたかったのです。





「じゃあ、失礼します。……また、来て良いですか?」





「構わない。の好きにしろ」





「はい。ありがとうございます」





私はそう言って、重く厚いドアの向こうに行きました。











「はい!」





「気を付けるんだ。今の世の中物騒だからな」





ドア越しに名前を呼ばれれば、身体は必要以上に反応する。





「はい…」





私は前に進みました。





涙は一生分くらい流しました。





でもまだ出ます。





私はあなたが愛しくて愛しくて仕方がありません。





愛してるんです、叶わないと分かっていても。





振り返って見た“院長室”竜弦さん、あなたの部屋。





私はそのドアを真っ白な黒壁に感じました。





絶望に、何処か似ていました…










FIN









あとがき
初雨竜パパ。
口調がいまいち分からなくて偽者です;
でも一度書いてみたくて…
すみません;
では、こんな話を最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m
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