あなたがここにいてほしい



















僕は貴女を愛していました。





その気持ちは今でも変わりません。





けれども貴女は忽然と僕の前から姿を消してしまいました…





さん」





「なぁに、イヅル?」





貴女はまるで小さな子供の様でした。





僕よりも二十歳年上でしたが、僕よりも幼い人でした。





正確には幼い子の様に楽しそうに会話する時もありますが、
恐怖に縛られ何一つ話さない時もある人なのです。





薬に冒されているらしい事も見れば分かりました。





皆はさんは気が触れていると言います。





確かにそうでしたがさんは繊細で聡明。





誰よりも美しい人なのです。





僕は狂おしい程にさんを愛していました。





さん、僕は貴女を愛しています」





僕は何度もその言葉をさんに送りました。





そして決まってさんはこう言うのです。





「私もイヅルを愛してるよ」





意味が分かって言っているのかどうかは定かではありませんでしたが、
僕は非常に嬉しいのです。





嘘でも、同情でも、愛している人から
“愛している”と言われれば嬉しいものなのです。





僕は仄暗い部屋の中でさんを精一杯に抱き締めました。





「イヅル…苦しいよ」





僕はさんの顔を初めて間近で見ました。





愛らしい表情…





僕の脳内でぷつりと何かが弾け飛びました。





僕はさんに深く口付けをし、
その後手酷く犯してしまったのです…





嫌がるさんに白濁を放つ瞬間は
腰が砕けそうになる程の快感でした。





「愛してます…さんは…僕のものだ」





「やだ…イヅル…やだよ」






僕はその日以来、
屈折した愛情表現でさんを愛し続けました。





僕はなんて浅ましい、卑劣な男なのでしょう。





何度も後悔しました。





けれども僕はそれを止める事は出来なかったのです。





そしてある日、さんは僕の前から姿を消しました。





さんの居ない仄暗い部屋で一人きり…





僕は涙が頬を伝って床に落ちるのを見ました。





ああ…





貴女の心を直すつもりが粉々になるまで壊してしまいました…





全ては僕のせいなのです。





分かっています。





けれども、我儘な僕は…





唯、貴女が此処に居て欲しいと願うのです。











FIN










あとがき
切ない系;
切ないけど黒いイヅルで頑張りました。
そして「こころ」風な書き方にハマってますね。
私の駄文でも少しカッコ良く見える気がします;;
では、こんな話を最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m
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