エルサレム





















私の聖地はドコ?





私が生まれし、還る場所。





分かってる、そんな世界は無いんだね。





知ってるよ。





私には、居場所が無い。





、何してんの?」





「自分の居場所探し」





真子だ。





普段とぼけてて、たまにマジになるヤツ。





私の同類。





そんな真子が遠くを眺める私に話し掛けてくる。





「ふーん。それで見つかったん、それ?」





「見たら分かんでしょ?見付かっちゃいないよ、全く」





私は素っ気なく返事を返した。





真子のヤツは構いたがりだから私にやたらと絡んでくる。





鬱陶しくは無いんだけどね。





「居場所なんか俺が作ったるわ。俺が今日からの居場所や」





「はぁ!?」





「“はぁ!?”やのうて…の居場所は俺…」





「何言ってんの、バカじゃない!?」





私は何故だか紅くなる感覚を覚えた。





真子はまるで何でもない事だと言わんばかり。





私は真子の胸ぐらを掴んで“バカ”ともう一度言った。





「強がらんとき、。俺がおるんやから」





真子がニヤッと笑った。





そして頭をポンポンと叩く。





「アレ?泣いとんのか、





「泣いてないよ」





“瞳から水分が出てるだけ。”





そう言ったら真子は苦笑いしながら、





「はいはい」





だって。





私の居場所は真子。





私の聖地は真子。





どうやらそういう事になったらしい。





でも、それを告げられた途端…





薄汚れた私を、
荘厳な調べが包みこみ、光が導き出してくれた様な気がした。





ドコかで聞いたエルサレムって所みたいな場所が、
私の聖地なんかじゃない。





聖地は遠い場所には無い。





「ほら、ハンカチ貸したんで」





「あんたのハンカチなんか臭くて使えない」





「アホぬかせ!ちゃんと洗とるわ!」





聖地は…すぐ傍にあるもの。











FIN









あとがき
カシミールと来てエルサレム。
土地の名前ばっかです;
しかも意味不;
でも平子は完全大阪弁なんで書きやすいですね。
普段私の喋ってんのとほぼ同じ…;
では、こんな話を最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m
参考音楽:エマーソン、レイク&パーマー/聖地エルサレム
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