カシミール





















授業も終わった午後四時。





私は恋人の真子と屋上で空を眺めていた。





「なぁ、。空ってさ…ずっと繋がっとるやん」





「うん、まぁね」





私は変わらず空を眺めながら返事を返した。





「もし、空飛べたら誰にも気付かれんと、
どっかちゃうトコ行けんのとちゃうかなって今思た」





……?





私は視線を空から真子に移した。





真子はずっと空を見たままだった。





にしても…





真子ってたまによく分からない発言をする…





「例えばドコに行きたいの?」





「カシミール」





「…カシミール?インドの?」





私余計に分からなくなった…





「カシミールってなんか神秘的な感じがすんねん。
砂嵐に巻かれて…んで太陽が地面焦がして…
如何にもエキゾチックやん」





「ソレって真子の想像でしょ」





そう言うと真子が一瞬遠くを見て、それからまた私を見た。





「オレな、連れて違う世界行きたいねん。
此処とちゃう世界…誰にも気付かれんと。
なんか今の世界と隔たりがある…みたいな。
まあ、それやったらカシミールやなくてもドコでもええんやけど」





真子がニカッと笑った。





何時も通りの真子…





でもさっきの遠くを見詰める表情はどこかしら寂しげで切なかった。





「私、真子なら連れてかれても良いよ。
真子の事大好きだし」





「おおきに。オレもの事好きやからね」





そう言って真子は私のおでこにキスした。





「何時か連れ去りに行きますわ、姫様」





「はいはい、分かりました」





私達は笑った。





けれど、私を“連れ去りに行く”そう言った真子の横顔は…





何故か妙に真剣だった。










FIN











あとがき
何故か意味深なお話に;
何にせよ、一度書いてみたかった平子夢が書けて嬉しいです。
意味不になってしまいましたが;;
では、こんな話を最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m
参考音楽:レッド・ツェッペリン/カシミール
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