おとぎの国のお姫様は麻薬中毒者〜Chapter 3〜





















此処は…





どの辺りなのでしょうか…





イールフォルトさんが
私の手を引きながら連れて行ってくれた場所は
薄暗くて狭い道でした。





人通りは全くありません。





私は段々と不安になってきました。





「イールフォルトさん…」





「大丈夫ですよ、姫。僕と居れば安心です」





イールフォルトさんは私の心を見透かした様にそう言いました。





優しい暖かい笑顔です。





私はその笑顔で安心する事ができました。





「ほら、着きましたよ。此処が僕の友人の店です」





イールフォルトさんが指差す方向、
其処に確かにありました。





不思議な雰囲気のするお店です。





さっき街で見てきたお店とは全然違います。





一体、何を置いている店なのでしょうか…





「さあ、姫。中に入りましょう」





イールフォルトさんが私をエスコートしてくれます。





私は言われるままにお店に入りました。





ほんの少し恐怖心がありましたが、
好奇心がそれを遙かに上回っていたのです。





「よおイールフォルト久し振りだな。
……って…マジかよ。
ホントに連れて来やがったぜコイツ」





「ああ。言っただろう。俺は嘘は吐かない主義だ」





イールフォルトさんはお店の男の人と親しげに話します。





一人称から口調まで全然違うので私は驚きます。





「……騒がしいな。何事だ」





お店の奥からもう一人男の人が出て来ました。





さっきの男の人と違って物静かな雰囲気の人です。





「ほら、見てみろよウルキオラ。
イールフォルトのヤツが一国のお姫様を連れて来やがったんだ」





ウルキオラ…さんでしょうか。





その方が私を頭のてっぺんから爪先までしげしげと私を眺めます。





居心地が悪くなった私はイールフォルトさんの後ろに隠れました。





「テメーが怖い顔してっからお姫様が怯えちまったじゃねーか」





「グリムジョー、
お前のその乱暴な口調の方がよっぽど怖いだろう」





「うるせぇな」





此方のライトブルーの髪の男の人はグリムジョーさんと言うのですね。





「二人共…今日は前から言ってた通りなんだ。
だから早くしてくれ」





イールフォルトさんがそう言うとお二人は口喧嘩を止めて、
お店の奥へと姿を消した。





「これからを二人に、
楽しい物を持ってきてもらいますからね」





イールフォルトさんは私に微笑みかけます。





楽しい物…





どの様な物なんでしょう…





私の胸の中はまた好奇心でいっぱいになっていくのでした。













あとがき
グリムジョーとウルキオラが出てきました。
他の破面も出したいなぁ…


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