おとぎの国のお姫様は麻薬中毒者〜Last Chapter〜





















ほら、希望という光は消え失せた。
誰もが嘆き悲しんでいる。
お前達の姫なんかじゃない。
俺のものだ。



姫と逃亡してからもう数週間が経った。
俺達は国外の小さな家にひっそりと暮らしている。
ドラッグとセックスにまみれた生活。
破滅への旋律は流れ続ける。
快楽との遊戯は俺を楽しませてやまない。



姫、どうかしたか?」

「私はもう姫ではありません…」


虚ろな瞳。
良い目になってきた。
俺の思惑通り。


「じゃあ、俺をどう思ってる?」

「愛してます…誰よりも」

「良く言えた。良い子だ」



俺はそう言ってを抱き寄せた。
口付けて、それから犯す。
飽く事無く続けられる儀式。
愛しているから…
これは俺の望んだ形だ。
俺は今、幸せだ。



「イールフォルトさん、私達はどうなるのでしょうか…」

「どうなるって?」

「私はずっとイールフォルトさんと居れるのでしょうか?」

「居れるさ。ずっとな」



永遠に俺のものだ。
薄暗い街に薄暗い部屋。
煌めく宝石箱の国にはもう戻らない。



「外がやけに騒がしいな」

「ええ…」


突然に外が明るくなった。
俺達の耳に聞こえてくるのは怒号。
“此処だ”という声。
俺はそこで悟った。


「終わりだ」


そうか。
逃げ切れる訳が無かったか。
俺は不安の色を浮かべるに言った。



、ずっと俺と居たいか?」

「はい」

「城には戻りたくないか?」

「はい」

「良い子だ」



薬を手にした。
もう何も聞こえない。
の愛らしい声だけが聞こえた。


「愛してます」



破滅への旋律は止まった。










FIN




エンディングは貴女で御想像下さい。
すみません、いつもこんなで;
では、こんな話を最後まで読んで下さりありがとうございましたm(__)m
06/04/06   PM23:16


←Back
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送